現在帳

ゆっくりと月刊住職を読んでおります。毎日同じようなことをしているお寺の世界でも、変化しているのを感じることができます。

 

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記事の中に、現在帳というものが取り上げられていました。過去帳という故人のことを記したものは、台帳にもクラウドにもあります。

檀家さんや仏縁のある世帯のことに関する現在のデータは、残念ながらまとめてありません。噂や世間話で聞いたことを、記憶に留めるくらいです。

そのお宅にある悩みや喜びに寄り添うには、現在のデータをまとめた現在帳があると、正確な対応ができるようです。

当然のこと、個人情報は守らなければいけません。

名古屋駅の構内では、大垣まつりを紹介するイベントが行われていました。

 

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そういえば、大垣まつりには32年間行っていません。父と祖父の不幸で神社へのお参りはいけないものとされて、その後は近くても遠ざけていました。

33年ぶりに、行こうかと思います。そうして本当の忌明けにしたいと思います。

朝早く、お二人ご近所の奥さまが私を訪ねて来られました。

うちのお寺は、瀬古という集落(町内会)に属しているのですが、この集落と共に歩んできた歴史を辿っておられるようです。

私のわかる範囲でお答えさせていただきました。

ふいに訪ねて来られることは、これまでありませんでした。どこか近寄りがたい雰囲気があったのかもしれません。

 

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今後のお寺を支えてくださる中核となるのは、昭和30年代以降の生まれの世代の方々です。これまでのお寺と檀家の関係性に疑問を持たれることの多い世代に、より丁寧な布教が求められていることを実感しました。

笑っているうちに、

掲示板のポスターを貼り替えました。「笑っているうちに、元気が出て来る。」と掲げました。

 

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心身が寒暖差についていけず、マイナス思考になります。

 

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笑って前を向いていると、草木からエネルギーを吸い込むような気持ちになります。

 

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百日紅

百日紅と書いてサルスベリと読みます。祖父母は「ひゃくじっこう」と読んでいました。

樹皮が滑らかで、木登りが得意なお猿さんでも、木から滑り落ちるといういわれから、サルスベリと呼ばれる由縁になったようです。

 

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セクハラやらパワハラと言う言葉が、世間を騒がせています。加害者とされる人が、これまで歩んできた人生の価値観において、批判されるいわれはないと考えておられるのではないでしょうか。

人の心は百日紅のように繊細ですから、簡単に折れてしまいます。ですから、これでいいのかと自問することが大切なのでしょう。

「羞恥心こそが徳の源泉である。」とイギリスのトーマスカーライルが述べたようです。自分は戒めを保っているのかを考えて、実践できないときは懺悔していくことが、人徳を積むことにつながるようです。

 

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ツツジ

気づかないうちにツツジが咲いていました。

 

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おばあちゃんとひいおばあちゃんに連れられて、近所のお子さんがお寺に遊びにきました。

鐘の音に引き寄せられるように、お寺までおいでくださるようです。

法律と戒律

「大学で法律を学んだあなたが、なぜ仏教の道を歩むのか。」と私の履歴書をご覧になった方は皆さまが思われることでしょう。

 

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23年前に、大学で民法というものを学んだ時は、「この世の何が正しいのか。法律に書いてなければ許されるのか。」と不信を抱きました。

仏教では戒律を守ることを誓って得度します。しかし戒律を守ることはできない。「お酒を飲む。正確でないことを言う。深夜にメールを送る。」といけないことと知っていても、守ることはできません。

では、「私は戒律を守ることのできない人間である。他人に頼ることがなければ生きていけない。」と懺悔して、感謝の心を持つことが大切であることに気づいたのは最近のことです。

「戒律を守ることはできない。」と懺悔して、「おかげさまの心」が生じてくる。しかし、この世に生きているうちには、トラブルと隣り合わせである。円満な日常を保つには法律の力が必要となることを感じております。

東京砂漠

寺院規則を改正する相談を終えてから、住職塾とまいてらの同志である大島さんのおられる龍興院をお参りさせていただきました。

 

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東京スカイツリーがそびえてビルが立ち並ぶ街の中に、静寂な木造の伽藍がありました。

本堂をお参りしてから、客殿で大島さんとお話しさせていただきました。

20年前に、この近くで学生生活を送っていた頃、どこにお寺があるのかも知りませんでした。その頃インターネットを始めましたが、プロ野球のサイトしか閲覧しませんでした。

「こうしてお寺を訪ねることができるのは、住職塾やまいてらのおかげです。」と語っていました。

私が生まれた年に、「東京砂漠」という曲が流行ったようです。田舎から出てきた頼る当てのないまま学生生活を送っていた頃は、砂漠の中にいるようなものでした。

仏さまのご縁があるからこそ、視界を明確にして前に進むことができるのです。

 

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