南海なんば駅に立つと、子供の頃の懐かしい記憶がよみがえってきました。
お正月の三日、母方の祖父母に連れられて、高野山へお参りに行ったことがあります。
岐阜羽島駅から新幹線に乗り、新大阪へ。そこから地下鉄でなんばまで行き、南海電車に乗り換えて極楽橋を目指しました。
街の景色が次第に山あいへと変わり、終点の極楽橋からケーブルカーに乗ると、いよいよ聖地・高野山です。
子供だった私にとって、それはずいぶん遠い旅でした。しかし、何度も電車を乗り継いで山の上へ向かう道のりには、日常とは違う特別な高揚感がありました。
冬の高野山の冷たい空気、山深い景色、そして祖父母と一緒に歩いた時間。細かな出来事は少しずつ薄れても、祖父母に連れられてお参りしたという温かな記憶は、今も心の中に残っています。
思えば、幼い頃に祖父母が結んでくれた仏さまとのご縁が、後に僧侶となる私の歩みに、どこかでつながっていたのかもしれません。
なんば駅を訪れ、あの日の長い旅路と、今は亡き祖父母の優しい姿を懐かしく思い出しました。
