柿寺 瑞雲寺

近所の瑞雲寺の施餓鬼会へ、お参りに行ってきました。

中学生の頃は、自転車に乗って瑞雲寺まで出かけたものです。今ほど夏の暑さが厳しくなかったからこそ、できたのでしょう。

まだ酒気帯び運転への意識が今ほど厳しくなかった時代には、施餓鬼の後にビールをいただき、そのまま帰ったこともありました。
今なら、とても考えられない話です。時代は大きく変わりました。

瑞雲寺は現在、空き寺となっていますが、創建は1500年代と伝わる古いお寺です。昔から「柿寺」と呼ばれてきました。

慶長5年、1600年の関ヶ原の戦い。
徳川家康は東海道を進み、熱田、清洲、岐阜を経て、赤坂宿方面へ向かいました。

その途中、瑞雲寺を訪れた家康に、当時の住職が柿を献上したと伝えられています。

柿を口にした家康は、

「渋かった、渋かった」

と言いながら、

「四分勝った、四分勝った」

と掛けて喜んだのだとか。

本当のところは分かりませんが、土地に残る昔話には、その土地の人々が歴史を身近に感じてきた温かさがあります。

この日の参拝者は、盛況だった頃の四分の一ほどになっていました。

それでも、暑い中で皆さんの読経の声はよく整い、静かな境内に響いていました。

その声は、瑞雲寺を守ってきた先人だけでなく、関ヶ原の戦いで命を落とした多くの人々にも、きっと届いたのではないでしょうか。

人の数は少なくなっても、祈りまで小さくなるわけではありません。

古いお寺に響く読経を聞きながら、歴史を受け継ぐとは、建物を残すことだけではなく、こうして手を合わせ続けることなのだと感じました。