沈香

大垣別院での会議の後、斜向かいにある山口屋仏壇店にローソクと香炭を買いに行くと、見慣れた人が沈香を買い求めに来ました。96歳になる大叔母でした。

大叔母は私の顔を見て、すぐに誰かわかりました。私は、「うちにたくさん沈香があるから後から持って行くよ。」と言うと、線香だけ買って帰って行きました。

仏壇屋さんに、「営業妨害をしてごめんなさいね。」と謝って、世間話をしてお寺に戻りました。

沈香と線香をたくさん持って、大垣市墨俣町の大叔母の家に行きました。
明日に亡夫の三十三回忌があるので、買い求めに行ったようです。

大叔母は喜んでいました。祖母が他界して13年経ちます。父は親戚の家から養子に来たので、大叔母と血縁関係はありません。それでもこうして絆があるのは、先人からの遺産であるからです。