親鸞聖人の教行信証に学ぶ

NHK Eテレで、親鸞聖人の『教行信証』を学ぶ番組が放映されていました。
よく耳にする「正信偈」は、この『教行信証』の中にあるものだと、私は最近になって知りました。
親鸞聖人が生きられた時代は、平安から鎌倉へと移りゆく大きな変化の時代でした。庶民の苦しみに対して、当時の既存仏教が十分にこたえられていなかった中で、どうすれば衆生の悩みを安心へと導くことができるのか、親鸞聖人は深く悩まれたのだと思います。
29歳で比叡山を下り、法然上人のもとへ行かれ、お念仏によって衆生済度の道を歩まれたご生涯の一端を拝見し、大変考えさせられました。
どの時代にも、新しい道を歩もうとすれば、抵抗や批判は出てくるものです。
私自身も20年ほど前、松原哲明和尚さまにお会いし、東京都世田谷区の龍雲寺へ勉強会に通っていた頃、「人間力が足りない」などと批判されたことがありました。
もちろん親鸞聖人のご流罪になぞらえるつもりはありません。ただ、ハローワークを通じて区役所に勤務し、生活保護の仕事に携わっていた頃のことを思い出しました。僧侶でありながら役所で働いていた自分の姿を、勝手ながら「非僧非俗」という言葉に重ねてしまいました。
『教行信証』は、親鸞聖人が50歳の頃から、およそ30年をかけて書き上げられたといわれています。
私も今年50歳になります。
これからの30年で、自分なりに何を学び、何を伝え、何を残していくことができるのか。
そんなことを考えさせられる、ありがたい番組でした。