テレビをつけると、NHK Eテレで宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が取り上げられていました。
『銀河鉄道の夜』は、子どもの頃から何度も触れてきた物語です。
そして20年ほど前には、松原哲明和尚さまから、宮沢賢治についてよくお聴きしたことを思い出しました。
宮沢賢治の言葉に、
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
というものがあります。
「みんなが幸せにならないうちは、自分だけの幸せはない。」
そんな意味として、今も私の心に深く突き刺さっています。
番組の最後には「南無妙法蓮華経」と書かれたものが映し出されました。一方、賢治の生家は浄土真宗の信仰を受け継ぐ家でした。賢治はそこから法華経への強い信仰を持つようになり、その信仰は『銀河鉄道の夜』をはじめ、彼の作品や生き方の根底にも流れているように感じます。
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ――」
人のために動き、農民とともに働き、自分のことは後にする。
馬車馬のように働く、という言葉がありますが、宮沢賢治の生涯を見ていると、まさにそんなひたむきさを感じます。
テレビを何気なくつけただけなのに、20年前に松原哲明和尚さまから聴いたお話まで、ふっと蘇ってきました。
自分だけが幸せになるのではなく、周りの人とともに幸せになる。
僧侶として生きる私にとっても、改めて胸に刻んでおきたい言葉です。
雨にも負けず、夏の暑さにも負けず。
私もまた、今日できることを一つずつ。
