花園大学の公開講座に出席してきました。
今日は、相国寺の承天閣美術館で学芸員をされる本多潤子先生のご講義でした。

臨済宗のお寺には、頂相(ちんそう)と言って、歴代住職の肖像画に賛という功績の文を書いてお寺に残します。
今では住職の没後に作成することが多いのですが、本来は師匠から弟子に自分の教えを伝えるという目的で継承していくものです。
「相を頂く」わけで、「相を続ける」という相続と同じような方向かと思いました。
相国寺の開山さまは春屋妙葩禅師と認識していましたが、夢窓疎石禅師が勧請開山としてお祀りされていて、頂相が12もあるようです。
夢窓疎石禅師の頂相は面長になで肩のお姿にベージュの法衣を着ておられます。
今では紫色の法衣で頂相を作成されていますが、室町時代の頃は天皇の勅許が必要であったのかもしれません。
うちのお寺では、私で12世になりますが、頂相は5つしかありません。
高さや幅がまちまちで、祖父の頂相は洋画風です。私も終活で自分の頂相を作ろうかと思いましたが、まだ早いと止められています。
今のうちから、頂相の賛を書き入れていただくように、犬山市の瑞泉寺の原田径宗老師にお願いしようと考えています。
本堂へ行き、5つの歴代住職の頂相を拝見すると、お言葉が伝わってくるようです。
AIで自分のお思いを継承するよりも、一層思いが継承されていくのが頂相であると思います。
