常に一直心を行ず。

9月に入りましたが、施餓鬼会のお参りは続いております。
午後から白隠禅師が修行されたお寺のひとつである、大垣市の瑞雲寺の施餓鬼会にお参りさせていただきました。
控え室の床の間には、盛永宗興老師が書かれた「常に一直心を行ず。」という禅語の墨蹟が掛けられていました。

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「いつも全力投球で行こう。」とも解釈することができますが、きれいごとになってしまいます。「どんな苦境が起ころうと、自分のなすべきことをすべきである。そうすれば道が開けてくる。」と読み解いたほうが良さそうです。

法要の後の法話のために、80歳を超えた老僧が、30キロ以上車を運転されてお越しになりました。ごあいさつをして、「桑海さん。おじいさんが亡くなって何年経つのかな。」とお尋ねになりました。「31年経ちます。」とお答えすると、「ほうそんなに経つのかな。」と感慨深く語られておられました。
不器用に苦境を乗り越えることを見守ってくださったから、時が経つのが早く感じられるのかもしれません。

私は、「和尚さまは天皇陛下と同じくらいのお年ですか。」と不躾な質問をしました。「わしは、昭和2桁生まれじゃよ。」と笑って答えておられました。一直心を歩まれた大先達の貫禄ある受け答えに感嘆しておりました。