禅林句集

禅の修行とは「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏」と言って、文字によらない対面のコミュニケーションによる、師匠から弟子への継承が基本とされます。
日々の積み重ねから見えてくる境涯というものがありますが、その境涯を言語化したものが禅語です。毎日の暮らしの備忘録なのです。

禅林句集という本を手にとっておりました。そのなかに、「雲 剣閣を遮る三千里。水 瞿塘を隔つ十二峰。」という禅語を見つけました。「雲が険しい山を広く遮り、水が堤防をおびやかすほどである。」という解釈です。「雄大な景色のなかにたたずむように、いまここに生きていることのありがたさを感じること。」を教え諭してくれる禅語です。

手にとって読み進めていくと、自ずと戒めをもたらしてくれます。

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