iTunesでダウンロードした臨済宗檀信徒勤行のお経を聴いています。

私は小さい時に祖父や父を亡くしたので、お経の読み方を教えてくれた先達はいなくて、自分自身で覚えました。
センスのあるなしもあるのですが、私は音感というものが悪いようで、修行道場に入門したら、笑われて自分のお経の読み方がずれていることに気づきました。

その頃は、できる修行僧は、お葬式の鳴らしものの脇僧に使ってもらえたのですが、私は最初からレギュラー落ちでした。
住職になってからも、脇僧に呼ばれることもなく、呼ばれてもすぐに二軍落ちを言い渡されました。

苦難あって、住職も辞めようかと思っていた時、住職塾での多宗派とのお坊さんとの出会いがあって、声明を大切にされているのを拝見して、お経を学び直そうと思い、このアルバムをダウンロードしました。

お坊さんでない友達に、こちらのアルバムの妙心寺塔頭の慧照院の吹田良忠和尚さんのお経と聴き比べをしてもらうと、「桑海くん。君のお経は鼻にかかってクセがあるね。」と指摘されました。

その後、修正を経て、いま各地でお経を上げています。

多宗派のご住職とお話ししていたら、ワンオクターブ違うだけでお経の試験を落とされたというお話しを聞きました。
「私は何回受けても落とされますね。」とお話ししていました。

今では檀家さんのお宅へお経を上げに行くと、皆さまがご唱和してくださいます。あまりうまくなくても、唱和しやすいほうがウケるようです。