菩提寺とは。

中日新聞の記事を見て、やっと取り上げてくれたかと思う反面、何を今更という気持ちにもなりました。

裕福な環境のお寺がある反面、経済的に困窮しているお寺も多くあります。困窮する理由を、お寺を支える檀家さんの世帯数の減少や後継者不足の問題に特化するのは、表面的な分析に過ぎないと思います。

先祖供養を執り行い、檀家さんからのお布施やご寄進をお願いすることは、江戸時代から継承されてきたお寺と檀家さんの関係性でした。ただその関係性に主従関係があり、いまでも残っており、檀家さんをはじめとする世間の多くの人が違和感を抱いているところがおおもとの問題ではないでしょうか。

葬儀や先祖供養を依頼するお寺のことを、一般的に「菩提寺」と言いますが、「師匠寺」と呼ぶところもあります。教え諭すことから「師匠寺」というのでしょうが、時代にそぐわない響きです。
「お寺の年中行事に必ず参加せよ。」という上からの物言いでなく「お寺の行事にぜひ参加したい。」という気持ちになっていただくことから始めたいものだと思いました。

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