皐月待つ

明日からの5月に合わせるかのように、サツキツツジが咲きそろってきました。

「皐月待つ花橘の香をかげば、 昔の人の袖の香ぞする。」という和歌が伊勢物語にあります。

思い出す袖の香りというと、香ばしいものから煙たいものまで多くあります。何十年も前の香りが、今ここに漂うようです。

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鯉のぼり

掲示版のポスターを貼り替えたところです。
鯉のぼりのイラストを入れました。鯉のぼりのように、風になびかれながら遠くまで見渡して、そうして身近なところを振り返りたいものです。

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祖父の31回目の祥月命日にあたり、先ほどお墓参りをしてきました。
昭和61年の4月27日に、大垣市民病院で74年の生涯を終えました。前年に、長年の教員勤務の功労で「勲三頭瑞宝章」を皇居で受けたのですが、同じ年に子であった私の父を亡くして、今後の行く末を案じながらの最期でした。

当時9歳の私が喪主とは、現在では考えられないことです。その後の多難の時代の始まりでした。

今後の課題を抱えながら、私が住職を続けられるのは、祖父を始め多くの皆さまの見えない力に支えられているからです。「おかげさま」という不思議な力を感じております。

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栄養失調気味だった松が、元気を取り戻してきました。

40年ほど前、祖父が唐破風玄関を作ろうと、松の枝を一部裁断しました。大工さんに拒否されて実現しなかったようです。大きなお寺の玄関を見て模倣したかったようです。

明日は祖父の31回目の祥月命日です。松が歴史の変遷を記録しているようです。

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臨済録

「无名会」の法話の会に参加させていただきました。
木村太邦老師が、「臨済録」という臨済禅師とお弟子さんとのやりとりを書き留めた語録を噛み砕いて教えてくださいました。

今回の場面では、仏教の教学を重視するお坊さんとのやりとりでした。
「体系化した仏教の教学こそが、仏さまの教えを説明するものではありませんか。」という問いに、臨済禅師が「そんなことを言うようでは、まだまだ甘いな。」とのやりとりでした。

10年ほど前に、地元の教区の法話の講習会で、「難しい言葉を羅列して、まったくなっていない。」と罵倒されたことを思い出しました。

木村老師は、「臨済禅師は難しい言葉を使う教学を否定されたわけではない。」と説かれました。
「その質問する心こそが、仏さまの心である。」ことを逆説的に示されているのです。

私も「こうでなくてはいけない。」と難しく考えてしまいます。ありのままの心を研ぎ澄ますことが大切であるのです。

講義の中で、「煩悩即菩提」という言葉を例にあげられました。よくないとされる煩悩でも、うまくコントロールすることができれば、仏さまのような心にたどり着くことができるのです。

臨済禅師は、「難しく考えていてはいけない。ありのままに物事をとらえて、ありがたい因縁によって生かされていることを知るべきである。」と逆説的に教示されたのです。

会場のお寺の周りは、にぎやかな繁華街です。お寺から出ると、真っ先に「相席居酒屋」を広告する電光掲示版が目に入ってきました。若い頃でしたら、煩悩でパニックになったことでしょう。

頭で覚えるばかりでなく、日頃生ずる心や湧き出る煩悩を、うまくコントロールすることこそが、臨済禅師のお考えの根本であることを、学ばせていただきました。

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準備万端

庭木が先を争うように開花しております。
庭木からも、「住職、何をのんびりしているんだ。オレたちは準備万端なんだよ。」と急かされているかのようです。

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英語を介して

住職塾でご縁のできた、名古屋市の新栄にある高山さんのお寺のイベントにお邪魔させていただきました。

日本語には仏教に派生する言葉が多くあります。その元をわからずに使用する言葉が多くあります。
仏教に由来する言葉や教えを、英語で分析して理解を深めるという試みに参加させていただきました。

講師は浄土真宗の大来さんでした。宗派は違いますが、大来先生は、臨済宗の布教師の先達である故松原泰道先生に師事されたこともあり、お話しされるテンポや仕種から松原先生を思い浮かべました。

英語を介して仏教の教えを学ぶ会でしたが、私にとっては、他宗派のお坊さんから仏教の教えを学び、臨済宗の先達を教えを深めるというありがたい学びを得させていただきました。

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穀雨

例年より遅く、庭木が開花しております。
今日は二十四節気の穀雨です。「作物の栄養となる雨が降り続くという時季」に因むようです。

曇り空の一日でしたが、「雨降って地固まる。」と地固めのときであるようです。IMG_0220 IMG_0222

すきま風

晴れ渡る空でしたが、強い風の吹く一日でした。
外出中に、セコムから電話がかかってきました。「お寺で侵入異常が発生しました。警備員が向かっております。」と物々しい様相でした。

しばらくして、「強風のため、すきま風が吹いてカーテンが揺れたのを、センサーが感知したようです。」と報告があり、ホッとしております。

センサーの感度が敏感すぎるようです。このように人情の機微の変化に敏感でありたいものですが、難しいものです。

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枯池

昨日の夕方から夜通しで降り続いた雨により、枯池に雨水が溜まっております。

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