10年ほど前、地元で法話講習会がありました。
確か「六波羅蜜」を題にお話ししていたと思います。
10分ほど話をした後、「専門語が多いね。」とか「もっと掘り下げた方がいいね。」というご意見の後、司会役の和尚は、一刀両断「全くダメ。」と言い放ちます。
しばらくして、「君はあの和尚のメンツを崩したから激怒したんだよ。先輩を立てようとしなかったのだ。」と忠告されました。
いまセクハラやパワハラなどと耳にします。被害者とされる人にも非がないとは言えませんが、根本的に「目上の人を立てる。」ことが良しとされる文化があるからでしょう。
目上の人を立てていれば、生活に困ることはない時代があったようです。今では、あてにするばかりでは将来図を描くことは難しいのです。
自己の責任で精進して、目上の人は困ったときに手を差し伸べることが、悟りに近づく六つの修行である「六波羅蜜」の実践になるのではと思います。ハラスメントは遠のいていくのではないでしょうか。