「そういえば今年は大垣のおばあさんの七回忌にあたるね。」と母と話していました。
母方の祖母のことです。誰よりも私のことを気にかけてくれたのですが、四十九日以降は、年忌法要が勤められることはありませんでした。
「じゃあ法要をうちで勤めよう。」ということになりました。
これまではイエ制度に縛られて、嫁いだ娘のほうで年忌法要を行なうことは良しとされませんでした。
しがらみを外して、母方の祖母に少しでもお返しができればと考えております。
幼い頃から、母方の祖母に連れられて、高野山に何度も行きました。「弘法さんは何でも聴いてくださる。」と話していました。そうすると父方の祖母は、「うちは禅宗なのに。」と快く思っていませんでした。
どういうわけか、うちのお寺にも弘法大師像があります。
イエ制度や宗派というものに縛られていたことを、仏祖は快く思っておられないことでしょう。