きれいな青空の下、松の木がそびえ立っています。正月を迎えるたびに元気になっていくようです。
32年前の今頃、祖父が余命3カ月を宣告されました。前年の10月に父が急逝しており、この松を見るのはこれで最後になり、お寺から退去することになると予感していました。
ご近所の校長先生をされた和尚さんが、「君がお経を読みに行けば、お寺を守っていける。」とありがたいお言葉をいただき、下手なお経を読んでいたものです。
僧堂に入ると、「自分が道を究めるために修行するもので、跡取り息子がお寺に住むために資格を取るものではない。」と老師の提唱でのお言葉があり、へこんだこともあるありました。
住職になって20年が経ち、これまで受け継がれた歴史を、どう社会のお役に立てることができるのかを問い続けることを、松の木の前で誓ったところです。