「大学で法律を学んだあなたが、なぜ仏教の道を歩むのか。」と私の履歴書をご覧になった方は皆さまが思われることでしょう。
23年前に、大学で民法というものを学んだ時は、「この世の何が正しいのか。法律に書いてなければ許されるのか。」と不信を抱きました。
仏教では戒律を守ることを誓って得度します。しかし戒律を守ることはできない。「お酒を飲む。正確でないことを言う。深夜にメールを送る。」といけないことと知っていても、守ることはできません。
では、「私は戒律を守ることのできない人間である。他人に頼ることがなければ生きていけない。」と懺悔して、感謝の心を持つことが大切であることに気づいたのは最近のことです。
「戒律を守ることはできない。」と懺悔して、「おかげさまの心」が生じてくる。しかし、この世に生きているうちには、トラブルと隣り合わせである。円満な日常を保つには法律の力が必要となることを感じております。