臨済宗妙心寺派管長の小倉宗俊老師の墨蹟の表装を終えて、床の間に掛けました。
「閑不徹」と言う禅語です。あれこれと考えることなく、ただ静かであることを修行者に求めた言葉です。
住職になってから、心穏やかになったことはありませんでした。18年前、24歳になる年に晋山式をした時のことです。この部屋は、いまの管長さまと法務部長の和尚さまの控室でした。
「彼の力で、この小さなお寺の舵取りができるのか。どこかお金持ちの娘さんをもらえば、その実家が助けてくれるのではないか。」と語っておられました。
力も余裕もない時代があったことを思い出します。これからは、「閑不徹」と心穏やかに過ごして、安心をもたらしていきたいです。