本堂の大修復を開始したのは、平成11年のことです。
地盤が弱く屋根も傷んでいたので、ジャッキアップして杭を打ち込み、屋根板や瓦も換える大工事でした。
その工事のおりに撮影された、昭和15年に竣工したときの棟札の写真があります。
当時の住職は戦争に出征しており、実母が発願主となって工事が進められました。
竣工して76年たち修復して16年たちますが、ご寄進くださった皆さまやご縁のある皆さまのお役に立っているかというと疑問です。杭を打ち込んで耐性を高めたように、皆さまの信心を深めていかなければ、古人の意志は無駄になってしまいます。
「一超直入如来地(いっちょうじきにゅうにょらいち)という禅語があります。杭を打ち込むように根気強さを持って、信仰を深める場であり続けたいものです。