三昧

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岐阜県の西濃地方の習わしとして、お盆の時季に墓前に紅白の提灯をお供えします。どのような意味合いがあるのかを考えておりました。
集落の墓地があるところは、戦前は土葬がされて、「三昧 (さんまい)」とお呼びしました。。三昧とは、元は「精神集中の境地になりきる。」ということで、転じて亡くなってからの境地のことを指すようになったようです。三昧の正面には六地蔵さんが、見守っておられます。

お盆の間だけは、「三昧の境地から戻ってきてください。」という願いを込めて、紅白の提灯でお迎えしたのではないかと推測しております。
「三昧無碍の空広く、四智円明の月さえん。」とは白隠禅師坐禅和讃の一節です。「三昧とは言っても窮屈なところでなくて、広いところにいるのですよ。」とそんな思いがあるのではと思います。

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伝道掲示板

伝道掲示板のポスターを、新しいものにしたところです。

仏教の言葉はわかりにくいという印象を持たれやすいのですが、仏さまの心を詩歌を用いて、多くの皆さまにお伝えできればと考えております。

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お盆のお参りを終えて

お盆の棚経(檀家さんのお宅でのお参り)を終えてほっとしております。うちの檀家さんのお宅でお参りするときは、お経の本をご覧いただいてご一緒にお読みしましょうと申し上げております。

「ご先祖さまへのご挨拶をともにしましょう。」と呼びかけると、皆さんが唱和するくださいます。お参りする親族のお声が調和してくると、ご先祖さまからの心が伝わってくるように思えてきます。
ご親族の各々の心や仕草から、故人の思い出が投影されてくるからかもしれません。

鴨居にかかる故人の遺影から、お参りくださったご親族の顔が似ているのを見ると、故人の心が継承されているかのようです。

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伝道掲示板

門前の伝道掲示板の、標語を入れ替えました。

お盆でお家にご親類が集られるときに、ちょっと気にかけていきたい言葉です。

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バラの木にバラの花咲く。

お盆のお参りからお寺に戻ると、鐘楼の前にバラの花が咲いていました。
4か月ほど工事のため、足場に隠れていて、今日になって気がつきました。

「バラの木にバラの花咲く。何ごとの不思議なけれど。」という北原白秋の歌を思い出しました。バラの花が咲いているのは、不思議なことではありませんが、これまで気づかなかったものに、ハッと気づいた不思議を詠んだのかもしれません。
足場が外される時期に、バラの花が咲いていたことの偶然の不思議に感謝をしております。

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白雲おのずから

ご近所の寺の施餓鬼会にお参りさせていただきました。
和尚さんの控室に、「白雲自ずから去来す。」という禅語の墨蹟が掛けられていました。「青山元より動かず。」という詩の対句になっているものです。
「青々とした山はどっしりと構えている。周囲にある雲が山に近づいてきて、風景を自ずと作り上げる。人の心も同じように、真理というものが一つなのに、ふわふわと動き回る。」という解釈でしょうか。

どなたが書かれたのかと調べておりました。私の大学の大先輩にあたる大森曹玄老師が書かれたもので恐縮するばかりです。
「ふわふわしていないで、どっしりとした心でいなさい。」と時を隔てて教えてくださるようです。

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戦没者の追善法要。

終戦の日が近づいてきました。

地元の小学校の校区の遺族会の、戦争でお亡くなりになった故人の追善法要を勤めさせていただきました。
戦後71年が経ちますが、ご遺族の弔いの心は変わらないようです。

石碑には、「崇徳碑」と書かれていました。「そうとくひ」ではなく「すとくひ」とお読みするようです。
保元の乱で配流された崇徳天皇のことを思い出し、「崇徳とは、徳を讃えることばかりでなく、異郷で戦死した故人をなだめることではないかと思います。」とお経の後にお話しさせていただきました。

故人の戦死を弔い、いま生きる我々の道標にしていければと思います。

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残暑お見舞い申し上げます。

暦の上では立秋を過ぎて、「残暑きびしい。」と言いますが、気温が40度近くまで上がり、灼熱とはこのことかと思います。

皆さま、熱中症にはご注意ください。
お盆のお参りでお経を読んでいると、防災無線で「熱中症にご注意ください。乾燥しておりますから、火の取り扱いにご注意ください。」というアナウンスが流れてきました。ローソクや線香から、大惨事につながることもありますから、注意しております。

「無事これ貴人」という禅語があります。「混じり気のない透き通る心こそが、何よりすばらしい。」と解釈しております。暑いとイライラして、思わぬ方向へと向かうことがありますが、無事でありたいものです。

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鐘楼工事も大詰めです。

鐘楼工事も、残すところあと一週間で終幕に近づいております。

最後の仕上げに、左官屋さんがお見えになっていました。

この方は、岐阜市の住職の修行同期の和尚さんが住職を勤めるお寺の、すぐ近所からお見えになっていました。

どこかで繋がっているのかわからない縁に、 支えられております。

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