次の「大源寺だより」に戒名を取り上げようと考えております。
理解を深めようと、宗教学者の島田裕巳先生の本を拝読しました。

世間で誤解があるのは、「亡くなってあの世へ行って、長い戒名ほどいい所に住むことができる。」という解釈があることです。

戒名とは、元は仏弟子になったときに、師匠からもらう二文字の名前です。お亡くなりになったときに「〇〇院〇〇〇〇居士」というような形式があるのは、仏教を信仰する国では日本特有のことであるのです。

信士 信女 居士 大姉 院号というのは、本来は仏教への帰依の深さやお寺への貢献の深さで決めるものです。
勤務評定のように、貢献度を数値化することはできません。そのような背景から院号料や戒名料というものが生じたようです。

私はお通夜で、お付けした戒名の意味を説明します。それまでのご縁が深いほど、思い入れ深くお話しできます。

今後、院号や戒名へのお布施のことが問われることになるでしょう。戒名とは、お寺とのご縁の深い故人へのおくり名としてお付けするものであり、グリーン車やファーストクラスの席を高価格でお売りするものではないことを説明していこうと考えております。

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