「願はくは花の下にて春死なむ。そのきさらぎの望月の頃。」とは、平安時代末期の西行法師が詠まれた歌です。
この歌にある花とは、桜ではなく梅のようです。きさらぎというのは二月のことで、望月の頃というのはお釈迦さまがお亡くなりになった十五日のことを言います。
西行法師は、今でいう出世コースを歩まれていたのですが、失恋の傷みもあり出家されました。
人情の機微を知る方であったからこそ、お釈迦さまのような安らかな人生の閉じ方を望まれたのでしょう。
どんな困難があっても生きながらえる梅のように、最期まで生きていきたいと思われたのかもしれません。