臨済宗妙心寺派の前の管長の河野太通老師の「十牛図」の講話を聴聞してきました。
第8番目の「人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)」の章を噛み砕いて説明してくださいました。
牛に例えられた迷いの心を、飼い慣らしコントロールすることができるようになって、これで充分であると慢心が起きると、再び迷いの世界へと戻ってしまう。
「牛を飼い慣らすことができるようになったことも、忘れてしまいなさい。」という教えです。
老師のお話しをお聴きして、この何年の間、視野を広げようと広範囲にわたり飛びまわっていたことと重ね合わせておりました。これまでの狭い世界からの脱却するきっかけにはなりました。
これで充分と満足することなく、違和感なく実践することがなければ、元の迷いに戻ってしまいます。
他人に認められることを願って実践するうちは、我欲があってまだまだ不充分であるようです。帰り道、栄の繁華街を歩いていて、「LINEの既読スルーは許せん。」とか「Facebookのいいね!がない。」などという街角の声を、自分の心の声のように思っておりました。