台風が過ぎると、気温が下がって秋の気配を感じます。

10年前の今頃、檀家さんではない方からお父様のお弔いを依頼されました。今では、どなたでもご依頼があればお弔いに出向きますが、当時としては異例のことでした。

当時は住職の他に、あるお役所でも仕事をしており、そちらでご一緒する方から、「桑海さん。お願いできないか。」と言われて、お引き受けしました。
病床にいた祖母はびっくりしていました。「おじいさんは長年教員を勤めていたが、同僚にお葬式を依頼されることはなかった。あんたにも人徳があるのか。」と驚いていました。

ご葬儀をお勤めして、その後年忌法要のお経をお読みしていましたが、本年の5月に、ご当主がお亡くなりになり、私がお弔いをさせていただきました。

10年という年月はあっという間に過ぎていきます。私を頼ってくださる方に支えられていることに感謝しております。

台風の影響で、枯葉が散らかっています。日が暮れるまで掃き掃除をしていました。

隣にある町内会の倉庫の前には、長い草が茂っています。道行く人は不快な思いをされることでしょう。余計なお世話と思いつつ、草を取っておきました。

隣の風景もうちのお寺の光景の一つであり、放っておけません。

台風の影響で、落ち葉が散らかっていました。夕暮れ時に掃き掃除をしていると、いつの間にか日が暮れてしまいました。

樹木葬墓地を開苑して、4年半経ちました。なぜ開苑したのかと言えば、仏縁を広げていきたかったことと、それまでの檀信徒制度が続いていくとは思えなかったからです。

「お寺の年中行事の手伝いが大変だ。」とか「経年劣化のよるお寺の補修の費用を寄付で負担するのはもう限界だ。」という既存の檀家さんの不満を解消していくためには、どうしたらよいか悩んでいたところに、樹木葬墓地と出会いました。

4年半も経つと、いろんな方がお越しくださいます。お墓のことで悩む方が、このお寺ならどうかと相談にお越しになります。
ご案内するだけではなく、今後の終活を一緒に考えていきましょうとお伝えしています。

久しぶりにラジオを聴いています。学生の頃は、勉強をおろそかにして中日ドラゴンズの野球中継を聴いていたものです。

長谷雄蓮華和尚がパーソナリティをされる「ちょっとかけこまないと」を拝聴しています。

先日のお客さまにこんな質問を受けました。「住職は樹木葬墓地や納骨堂を開いて運営する手法をどこで学んでくるのですか。」という鋭い質問です。

「宗派を超えて先行事例を学ぶことから始めました。」とお答えしました。

こちらをよく分析しておられるようです。
そんなやり取りがあって、また先行事例を学んでいます。

本堂で年忌法要がありました。
四国のご出身で同じ臨済宗妙心寺派のお寺のお檀家さんであられたご縁で、うちのお寺でお参りさせていただきご縁になりました。

昨晩お塔婆を書いていると、鏝の字が戒名にあり、辞書で調べました。こての意味があるようです。平らにならしていくようにご縁を深めていくという意味が込められているようです。

法要の後に、ゆっくりと仏縁を深めていくようにお話しさせていただきました。

八風吹けども動ぜず

「住職は教員なり公務員として、外に働きに出るべきである。」とは、戦後に農地解放で収入源をなくした農村部の小さなお寺の住職の宿命であったのでしょう。
祖父は東大を卒業したことを誉れとしていました。旧制中学 女子医専 高校 高専の国語の教員をしていました。

そんな面影を知るご高齢者からすると、「あの子(住職とも呼ばれません)は何をしている。遊んでいるのか。」と心配しておられるようです。
「八風吹けども動ぜず。」と言う禅語があります。どんなそしりや非難があろうとも、自分のやるべきことを尽くしていくことが大切であるのです。

本堂の隅には、晋山式と落慶式の時の記念写真があります。
大勢お越しくださったことを思い出します。
当時は24歳でこれからのビジョンというものはありませんでした。ふすま越しに「裕福な家の娘と結婚して食わせてもらえばいい。」と2人の高僧の話し声が聞こえてきました。

自ら仏縁を引き寄せなければ、発展も継続もないわけです。当時の周りの皆さんが抱いていた諦め感を乗り越えようともがいたことが、住職人生の始まりでした。

水まきをしていると、日が暮れてしまいました。
皆さまのお越しに感謝しております。

住職になった20数年前は、お寺の中長期ビジョンがなく、ただ祖父の時と同じように兼職してお寺を守っていくという使命しかありませんでした。

本堂の修復の落慶法要と同時に晋山式を行えましたが、「これからどうやってお寺をやって行くんですか。私は大きなお寺に入るから、周りの人はいい顔をしますよ。あなたとは違うんです。」と僧堂の後輩に屈辱的な事を言われたものです。

いまこうしてお寺の持つ魅力を活かして、多くの方にお役に立てていることに感謝しております。
住職としての残りの人生を、皆さまのお役に立てていきたいところです。

 

納骨堂や樹木葬墓地へのお参りが続きます。今日は4組お越しくださいました。月命日にあたり、故人に会いに来られます。

お参りくださった方にはお声をかけています。「よくお参りくださいました。」の一言で心が和まれることでしょう。