花無心にして蝶を招き

檀家さんが百合の花をお持ちくださいました。

玄関先に活けさせていただきました。

良寛さんの歌に「花無心にして 蝶を招き 蝶無心にして 花を訪ぬ。」という歌があります。花が多くの皆さまをお招きして、お越しくださった方が、さらにお花をお持ちくださり、花が精一杯咲いているかのようです。

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氷雨の降る中で。

ひょうやあられのように降る雨のことを氷雨(ひさめ)と言います。本来は夏の季語であるようです。

氷雨の降る中で、鐘楼の工事は順調に進んでおります。

野垂木の上に野地板を敷いていくところです。その後に瓦を載せていきます。

どんよりした気候のなかでも、突き進む大工さんに感謝しております。

氷雨のなかの工事の様子は、時間がゆっくり進んでいるようで、見る者を飽きさせません。

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日日是好日

雨の日が続くと、心身が重くなることは誰にでもあることです。

蒸し暑い毎日になると、集中力が途切れてしまいます。

禅という言葉には深い意味があるわけではありません。「無心に静かに思うこと。」にあるようです。

「人間が一つのことに一心不乱に打ち込むこと。」こそが禅の実践であるのです。

 

「日日是好日」という禅語があります。雨が降ろうと湿度が高くて不快になっても、毎日がすばらしい一日ととらえて、為すべき勤めを続けていくことが大切であるようです。

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仏法はるかなるにあらず。

お寺の本堂に、なぜか弘法大師のお像がお祀りされています。

住職の母の実家が真言宗のお寺で、住職も幼い頃から高野山へお参りに行ったものです。

その際に「困ったことがあれば、弘法さんにおすがりするのじゃ。」と言われたものです。

 

大源寺だより第4号の原稿を書き終えたところです。行き詰まりかけたとき、弘法大師に手を合わせました。

アイデアが思い浮かび、よき友人の助けを得ることができました。その方のお父さんは、高野山の麓のご出身であられることをお聞きして、びっくりしております。まるでお導きがあったかのようです。

 

「仏法はるかなるにあらず。心中にしてすなわち近し。」と弘法大師が説かれたようです。おすがりして、「仏のような心は身近なところにある。」ことに気付くことが大切であるようです。

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花が咲いている。精一杯咲いている。

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庭のあじさいがきれいに咲いております。

梅雨時の蒸し暑い中でも精一杯に咲いて、まるで見本となっているようです。

「花が咲いている。精一杯咲いている。わたしたちも精一杯生きよう。」という詩を知りました。

鎌倉の円覚寺の横田南嶺老師が出家を志して、初めて故松原泰道和尚さまにお会いされたとき、松原和尚さまがこの詩を色紙に書いて送られて、目の前のことを精一杯に勤めるように示されたようです。

これから暑くなりますが、「暑い暑い」と愚痴るのではなく、目の前のことを精一杯に勤めるように、あじさいが示してくれるようです。

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庭園のラベンダー

お寺の玄関前にラベンダーが咲いております。

庭には松の木やツツジが多くあるのですが、ラベンダーは異色の存在です。

「庭前の柏樹子」という禅語があります。中国の唐の時代に趙州という和尚さんがおられました。

理路整然とした説明を求める弟子に向けて「庭先の柏樹をご覧なさい。」と答えます。

理屈で考えることなく、ありのままを観察することを説かれたのです。

どこか異色のラベンダーも、ありのままを見ていると安らぎを得ることができるのです。

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山川草木悉有仏性。

毎日のように続く鐘楼工事は一休みです。

雨の日曜日になるという天気予報でしたが、午後からは快晴でした。

静かななかで庭木を見ていると、「山川草木悉有仏性(さんせんそうもく しっつぶっしょう)」という言葉を思い出しました。「庭木や草までも仏さまの心を持ち合わせている。」ということです。

手入れに手間取る庭木でも、「落ち着いて物事を進めなさい。」と語っているかのようです。

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拝み合わせる。

鐘楼の工事が続いております。

屋根瓦の下地になって、瓦を敷かれた後はお目にかかることのない「野垂木」が設置されているところです。

左右両脇に据え付けられて、接合部分を「拝み合わせ」と言うようです。

大きな構造物には、拝み合わせて調和することが必要とされるのです。

お寺とは、仏さまに拝むばかりでなく、お互いの仏心に拝むところでもあるのです。

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幾重にも重なる骨組み。

image鐘楼の修復工事は、急ピッチと言っていいほど進んでおります。

先日に、屋根の上の枕の役割を果たす桔木(はねぎ)が設置されましたが、その上に野垂木が据え付けられています。

野垂木の上が瓦が敷かれるようで、幾重にも重なる骨組みで補強されていきます。

今後の風雪にも耐えていくことでしょう。

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